思い出は美しすぎて




リーマスはミルクチョコレート愛好者だ。高級品なんて滅多に口にしない。それも子供が食べるようなおまけ付のチョコレートが大好きである。


「ようするに安物が口にあうのだろう」
「違うよ、これには深いわけがあるんだ。まだホグワーツに入る前の私は人目を避けて両親と3人きり北部で自給自足の生活をしていたんだ。もちろん家にはチョコレートなんて甘いお菓子はあるはずもない。でも一年に一回だけ母親がクリスマスにマグルのそれこそ10ペニーくらいのチョコレートを買ってきてくれたんだ。安物だったけれど私にとって今でもそれが最高級のチョコレートなんだよ」

「自分の味覚の幼稚さを幼少時代の美しい思い出で誤魔化そうとするな!」

「あれ?ばれた?」
「しかも、先ほど語った思い出も嘘っぱちだな」
「どうしてそう思う?」

にっこりと首を傾げるリーマス

「1年の時、列車の席でチョコレートを鞄いっぱいに詰め込んで周りの人間に配っていただろう」
「見ていたのかい?」
「何を驚くのだ?」
「いや、だって学生時代の君は私のことなんて全く眼中になかっただろう?低学年の頃は特に。もしかして、あの頃から僕のことを?」

「いや・今思い出しただけだ」


「・・・君ってそういう人だよね」





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ギャグです。