<慣れと馴れ>
私にしてはめずらしく風邪をひいたらしい。今年は暖冬だと思っていて油断したのがいけなかった。
今日一日乗り切れば明日は土曜でゆっくり休める。それに今日の3時間目は3年生だ。
最近あのクソ忌々しいポッターがルーピンのせいで付け上がること甚だしい。ここら辺で釘をさしておかねばっ
「というわけで、これから先週の眠り薬の応用で目覚め薬を作る作業に入る。グループの片方が先週作った眠り薬を服用し出来上がった目覚め薬をもう一人が投与し、目覚めたら成功だ」
眠り薬については先週、みっちり頭に叩き込ませたはずだ。目覚め薬は反対の性質を持つ材料を同じ量、逆手順で作ればいいだけだ。材料の準備は2時間目に大鍋を溶かした罰として居残りさせたクリービーにやらせた。
『失敗の天才』ロングボトムには学年主席のグレンジャーをつけておけば大丈夫だろう。
ポッターとウィーズリーはそれぞれグリフィンドールのグレンジャーほどとはいかないがわりと優秀なのと組ませる。
しかしウィーズリー家には一体何人の子供がいるのだ。どうやら2学年にいる妹で最後らしいがまだいそうな気がする。しかし確認されているだけで7人いるが私の手をわずらさせなかったのは次男くらいなものだ。
長男は他教科は抜群にできたくせになぜか魔法薬学だけ、成績が芳しくなかった。しかも私が赴任する前の薬学の成績はA+(つまり最高)だったため、私の教師としての実力がかなり疑われ、当時のDADA講師にさんざんイヤミを言われた。たしか名前はメランフィーだったかメンフィーだったか・・・思いだせない
しかし、思考がまとまらない。
私は今何をしようとしたのか。
というより何をしていたのだった
なぜか甘い林檎のにおいがする
そういえばダンブルドアに引き取られた直後のことだった
風邪をひいて何も口に通すことのできなかった私にミネルバが氷砂糖にあのあまい林檎酒をかけてくれたのだ。
甘いものなど口にしたことがほとんどなかった私にとって通常なら2口食べるのもきつかったかもしれなかったが弱っていたあの時は冷たく甘いあの食べ物はとてもおいしかった。
「起きたかい?」
目を開けたらルーピンが覗き込んでいた。
「なかなか起きないから心配したよ。気分はどうだい」
なぜルーピンがいるのだ
「セブルス?」
たしか私は授業をしていたはずだ。だがなぜか視界は薄暗い地下牢教室ではなく白い医務室の天井と覗き込むルーピンの顔だった。
そして薬品の匂いではなくまたあの甘い香りがした。
「どうして私が医務室にいる?」
「憶えていないの?君、ぶったおれたんだよ。授業中にね」
「何だと!?」
授業中に倒れるとはなんたる不覚。しかもあのポッターの前とは!
「まぁまぁ、とりあえず今は治すことだけを考えて。風邪を引いた時はこれが一番だよ」
そういってルーピンは私の口元に昔食べた、氷砂糖に林檎酒をかけたものを運んだ。
「弱っている時は甘いものが大事だからね。あ・ちなみにこれ、僕の手作りだから。はい、あーんv」
「弱っている時は甘いものをとるのが一番ですよ、セブルス。さぁ、口を開けて」
言われたとおりに食べてやった
あまりの甘さに顔を顰める。
やはり、私の口には合わない
「そんな顔してもだめだよ。全部食べなきゃ」
明日はたしか土曜日。休日だ。きっとルーピンは明日も一日中私を看てくれるだろう。全く自分も風邪をひいたらどうするんだ。
そう思っているうちにもルーピンは私が抵抗できないのをいいことに次々と氷砂糖を私の口に運んでいく。まるで鳥の餌付けみたいだ。
「明日はヒマだからずっと看病してあげるよ。大丈夫、体質的に免疫力が強いのかあまり病気にはかからないから、たぶん移らないよ。はい、もう一口」
「もういい」
さすがにこれ以上は気持ち悪い
「あ、もしかして飽きちゃった?」
困ったように笑うルーピン
アレだけ食べさせられれば普通の人間は飽きるだろう
「この食べ方」
その笑みが濃くなり、長年の経験と本能が危険だと警告を鳴らすが大量の毛布によってベッドに固定された私に逃げるすべは無かった。
「食べ方では・・・」
唇がやつの口にふさがれてしまったので反論のしようがなくなった。
ルーピンの舌とともにあまいカルヴァドスが進入してくる。
甘い
胸焼けしそうな甘さ
しかしルーピンによって長いことカルヴァドスに浸された私はもうこの耐え難い甘さにも慣れてしまった
皿半分ほど残っていたカルヴァドスと氷がなくなったのはちょうどその頃だった
*
意味わからないですね。
一応当初はリーマス氏のセブ餌付け作戦☆だったんですが・・・
甘々なのかイマイチ微妙だし無駄に長いというか間延びしてるし(汗
というか打ってる途中で違うネタが頭に飛来してきて思わずそっちに脱線しそうになりました(恐るべし赤毛長男
たぶんそのうちネタがなくなったら出します