うなぎのしっぽと女の言葉尻をつかまえようとすれば、どんなにしっかりつかんでも、するりと逃げられる
ローガウ
永遠不変なるもの
「アマリリスにスズランか。・・・素晴らしいセンスだなエヴァンス」
中庭の花壇で花を物色していた私
「あら、あなたの好きな花でしょ?」
「どうしてそれを?」
いつも見ていたから。アマリリスは3年生の時に温室で育てていたし、すれ違うとスズランの香りがした。
でもそんなこと言うつもりはない。
「ブーケにしようと思うの」
「卒業のか?」
「いいえ、結婚式の」
「ああ、そうか」
「驚かないのね。私がジェームズと結婚するのに」
「すでにあいつから聞いているから」
「怒らないの?」
それは暗にセブルスとジェームズの関係を知っていると言っているのと同じだった。
セブルスは少し驚いた顔をした。
「そう言うなら、なぜ結婚を?愛のない結婚は周りを不幸にするだけだぞ」
その表情は戸惑い。未知の生物にでも会ったかのような顔。
「ジェームズのことは好きよ。私達、きっといいパートナーになれる」
『恋人』としては無理だけれど
「ならいい」
ほっとした顔もいいけれど、私はやっぱり彼の驚いた顔の方が好きだ。
「別に、ヤツの心配をしているわけではない」
にやにやしている私に気づいてまたいつもの顰め面に戻ってしまった。
それきり思案に暮れているセブルスを放って私は花を摘んだ。
「きれいだけど、毒のある花ね。あなたみたい」
魅了されて、中毒を起こしてしまいそう
驚き、戸惑い、安堵、苦笑い、ずっと彼を見てきたのにこんな顔は見たことがなかった。わたしの知っているセブルス・スネイプはいつも顰め面で目に映るものすべてに失望しているかのようだった。
それなのに、今はどうだろう。
私が変えたかった。顰め面の奥の顔を私が引き出したかった
「私よりヤツの方が相応しいと思うが。表面はまぁ、魅力的だが腹のなかは毒だらけだ」
「しかも解毒剤がない?」
「・・・魔法薬学は常に進歩している」
「じゃあ、あなたが見つけてね」
いくらあなたが作った薬でも効かないでしょうけど
あなたが来てくれるなら劇薬だろうと何だろうかまわない
*卒業式前日、ジェーリリの結婚式2日前の話
リリーにとってジェーは親友で世界一信頼できる人でも恋愛対象に見れない。自分に似すぎているから。
ジェーと一緒にいれば彼の中のセブと一緒にいられるだろうとジェーに結婚を持ちかけられあっさり承諾したのがこれの2ヶ月前。
これじゃあわけワカメ(懐かしい)なのでその話も書こうかなぁ。