ハリーとセブ同棲話その6■

・ハリーはクィディッチのプロ選手
・セブは自宅のラボで薬学の研究に没頭
・ハリーは2階、セブは地下とお互いの領域が決まっている。セブの領域への不法侵入は厳罰(ハリー限定で)
・1階のLDKが共有スペース
・ドラコとはそんなに険悪でもないです。



*オッケーな方は下スクロール








白地図





日本に住むようになってからのハリーのオフでの趣味は焼肉屋巡りだ。
しかし「あんな匂いのつくところに行くのはごめんだ」というセブルスが付き合ってくれるはずもないので専らロンやハーマイオニー、最近ウマが合うことが判明したドラコを呼びつけては究極の焼肉屋発掘の旅の道連れとしている。
・・・・ちなみに去年は至高の寿司屋への道だった。

そして、今はクィディッチ国内リーグのオフシーズンである。
果たして彼が友人達に誘いをかけると彼らはやってきた。

「あのさぁ、いい加減、俺達をこういうのにつき合わすのやめない?」

開口一番そう言ったのは約49時間ぶりにハリーに会ったロンだった。彼としても遠く離れた国に住む親友の誘いに乗ってやりたいのもやまやまなのだが、何しろその回数が半端じゃない。オフシーズンを持て余しているハリーは週に何回も彼らを呼び出すのだ。
ご先祖様の呪なのか自分の金運のなさが理由なのかはよくわからないがロンは薄給なのである。しかも給料日前で懐に余裕がない。

「いいじゃないか、ロン。理由がなければ会っちゃいけない仲じゃないだろ」
懐に十分余裕があるハリーは上機嫌で友情を人質にとった。

「なら僕は先生に近況報告したらすぐに帰る」
ロンと違って懐に十二分に余裕はあるが時間的余裕のないドラコは二人の横をスタスタと通ってセブルスの部屋に行こうとする

「そんなー」
不満の声をあげるハリー

「ま、まてよマルフォイ。最近懐が寒くてさー」

「僕はお前の財布か!」
「・・・」
「あ、あからさまに視線をそらすな、ウィーズリー!!」

ロンの様子にかなりショックだったらしいドラコを見て、ハリーはマルフォイも付き合いやすくなったよな、と心の中で思った。
思いつつもマルフォイを茶化しにかかる。

「仲がいいわねー」
ハーマイオニーは男友達の一連のやり取りを微笑ましいものとしてみているようだ。

ホグワーツ時代の自分がこの場面に出くわしたらきっとリアリティがあまりにもない未来に卒倒するだろう。
当時、ハリーとロン、ドラコが仲良く外食するという未来予想図を描ける人間がいただろうか?


「全く、騒がしいのもいい加減にしたまえ。君達はここをどこだと思っているのだね?」

今となっては恐ろしさよりも懐かしさが先行する声が3人の言い合いを止めた。

「僕と先生の愛の巣です!」
「おまえは可及的速やかにその締りの無い口を閉じろ。そして一生開けるな」

即答したハリーに一瞥すらせずに斬って捨てた。
厳格教師ぶりは健在か、とハーマイオニーと特にロンは低学年の頃どれだけこの教師の授業が怖気の走るものだったかを思い出した。

「お久しぶりです。スネイプ先生」
「あぁ、最近の君の活躍ぶりはこちらにまで届いている。もう立派な当主だな。お母君もお喜びだろう」

明らかに自分との態度の違うセブルスにハリーは、口はつかえないので目で抗議する。
無視するスネイプはさらにドラコとの昔話に花を咲かせている。

「ご存知ですか?パンジーが結婚するんですよ。それで、式には是非恩師である先生もということで」
「あちらがいいと言うなら出席してもよいが。これで3人目か。もう君達も結婚する年なのだな。時が経つのは早い」
「そんな、年寄りみたいなこと言わないで下さい。先生はまだお若いですよ!」
「おまえに言っていない、煩い」



とことん無視されているハリーはいつものことのようで、全く堪えていない。
スネイプの方も、言い方や言葉は鋭いが明らかに視線の質が違う。


ハーマイオニーは最近この家を訪れる度に胃もたれするような感覚に見舞われるのは、焼肉とか食べなれないスシやヌードルスープが原因ではないということを思い知った。。


ハリー・ポッターとセブルス・スネイプがイギリスから遠く離れた極東の地で共同生活を営んでいるなど、あの時、誰が想像しただろう?




「私も恋人作ろうかな?」

投げ遣りに彼女は本当に小さく呟いた。




その呟きを拾ってしまったロナルド・ウィーズリー(片思い歴5年)が数週間悩むのは誰にでも予想できる話である。









*あとがき*
 ロンのお仕事はクィディッチの雑誌記者、ドラコはマルフォイ家の当主、ハーマイオニーはマグルの世界で両親の跡を継ぐべく医学生しています(突発的設定)
 ・・・どうでもいいことですが管理人は某グルメ漫画の海○雄○が大好きだったりします。
色々食べさせたかったのですが、管理人がお腹一杯の状態で打っていたのでやめました。