YOU CAN'T ALWAYS GET WHAT YOU WANT !
今日の午後は奇跡的に仕事が片付き、あとは周公旦からの書類を待つだけだったので楊ゼンと二人で茶を飲みながら久々の二人きりの時間を過ごしていた。
「・・・楊ゼン。一生のお願いだ」
「嫌です」
「まだ何も言っておらんぞ!」
「この状況であなたの言うことなど、だいたい見当がつきます」
「見当がつくならそこまでかたくなに嫌がることでもなかろう」
「師叔、塵も積もれば・・・と言うでしょう。顔突き合わすたびにお願いをされたら、いい加減うんざりします」
先日、楊ゼンと口づけを交わした。
仮にもワシらは仙道である。二次性徴すれすれ12の頃から崑崙に籍を置いて60年間、仙道としてそれはもう清廉潔白な日常を送ってきた。だから、はじめはもちろん、そういった類のことに抵抗があったのだが、一度してしまえば二度三度と求めてしまうものである。
「そこをなんとか!」
「そんなにまでして僕に頼むことですか?」
座った眼で呆れたように楊ゼンはワシをみた。
「当たり前だ!おぬしだからこそ頼んでおるのだ!」
ていうか、ほかに誰がいるというのだ?
「まったく!仕様のない方ですね。わかりましたよ」
音を上げた楊ゼンがこちらに身を乗り出した。
唇に触れる、甘みの強い柔らかな感触。
言葉で表すととても似ているが、期待したものと実際は違った。
「モモを食べるたびにそんなに物欲しそうな顔をなさらないでくださいね」
師叔は本当に桃が好きなんですね―
ちがうっつーの!
・・・わかったような顔で言った楊ゼンを今ほど憎たらしいと思ったことはない。
*)
ようやくCPらしくなりましたね!タイトルが思い浮かばなかったのですが、ちょうど聞いていた曲のタイトルがこの話っぽかったので、そのままつけました。
衝動をもてあましがちで、いっぱいいっぱいな太公望とそれに気付かない楊ゼンでした。
なぜか電車内の携帯で打った代物です。